大富入植70周年記念祭
大富入植70周年記念祭
11月12日(土)は西表島東部に位置する大富地域において「大富入植70周年記念祭」が執り行われました。この日は朝早くから集落の「生命の水」であり干ばつでも枯れることなく古より生活用水として重宝されている「天の川」と「大富川」の記念碑建立除幕式及び参拝が行われました。竹盛洋一さんの進行で儀式が進められ、大嶺誠公民館長が水神への感謝の儀を述べました。
「天の川記念碑文」 =古の 命をつなぐ天の川 未開地拓く 明日への力=
この泉は、かつては川へと注ぎ、干ばつでもかれることがなく、水を求める船 新城島、黒島の人々、波照間島の神事にも供された。古より幾多の村々がマラリアに没したが1952年8月大富集落の礎、仲間開拓団派遣隊が河口ジャングルに挑んだ。入植者達は、この泉を命の水として苦難の新天地開拓を成し遂げた。恵みの水を神川(かみがー)とも呼んだが天の川の名で親しまれ、新年と大富入植祭には住民が感謝の祈願を捧げている。 2022年1月12日 ー祈念石碑よりー
「大富川記念碑文」
大富入植の翌年、1953年6月、大ガジュマル木の湧き水を、集落の水場に整備した。住民総出で砂を運びバラスを砕き、貴重なセメントで貯水建屋と水槽を造り上げた。三槽を洗い物で使い分け、種籾も浸した。赤ん坊と洗濯物を抱えた女たち、水遊びの子供達、労働の汗を流す人々で賑わった。切り株だらけの、でこぼこ道を運ぶ水汲みは、女や子供だけには大変な仕事であった。開拓者の暮らしと和衷協力の心を伝える大富の歴史遺産であり天の川と共に、感謝を捧げている。2022年11月12日 ー記念碑よりー
記念式典:9:00~12:00 大富公民館に於いて
小雨がぱらつく中、大富入植70周年記念式典1部が午前9時より大富公民館で行われました。開会の言葉や物故者への黙祷の後、期成会事務局の竹盛洋一さんから記念事業活動報告があり式典・祝賀会の準備、資金造成、石碑の建立、獅子頭の新造、記念誌作成等々、本番に至るまでの説明がありました。平良章期生会長から式辞があり、前泊正人町長と佐事安弘教育長から祝辞を頂き、最後に感謝状授与がありました。授与式では開拓者1世、高額篤志者(会社・個人)歴代公民館長、功労者など、多くの方々が受賞しました。閉会の言葉を大嶺誠期成会副会長が述べました。後半の2部では大富集落の伝統芸能が披露されました。昼食は大富公民館にて山羊汁と猪汁が振る舞われ、皆で美味しく頂きました。
第2部 伝統芸能(旗頭興し「花鳥風月」「和衷協同」・大富音頭、大富賛歌巻踊り・獅子舞)
記念祝賀会13:30~17:00 大原中体育館に於いて
座開きでは期成会・公民館役員によるかぎやで風で幕を開け、関係者のあいさつに続き、入植者代表の佐事昇さんが乾杯の音頭をとりました。第1部の民謡ショーでは地元出身での民謡歌手として活躍している早田恵美さんが八重山民謡や独自の曲を披露し会場を沸かせました。また、子ども会(小学生・エイサー、中学生・ダンス)、老人会(19の春)、鳩間節(金城茂)、婦人会(大富口説)、大原中職員クラブ(環境整備ダンス)、大富さんしんの会(センスル節)、壮年会(満月太鼓囃子)の余興で盛り上がりました。第2部の民ショーでは早田恵美さんが、軽快なトークを交え、数々の有名な民謡を奏でて、最後はカチャーシーで会場が一体となり祝賀会は終演しました。楽しい舞台演出と美味しいごちそうと弾む会話で記念祝賀会は大盛り上がりでした。「和衷協力」の気概で、大富地域がこれからも発展し続けるイベントでした。ありがとうございました!